林生二胡
林生二胡の造形は、古風で素朴な中に優美さがあり、工芸が繊細である。伝統蘇派二胡の手工技術を受け継ぐとともに、現代の美意識を取り込み進化している。技術は絶えず研鑽され、単なる１本の二胡ではなく、高品位な工芸収蔵品となった。
これは、陸林生の60年にわたる研究によって完成されたものである。
国際二胡制琴大師 陸林生 伝記（youtube 約6分 こちらをクリック）
国際二胡制琴大師 陸林生
江南には、古くから文人墨客が多く、琴、棋、書、画が盛んである。このいにしえの地には風流なる芸術が息づき、この土地に一人の蘇派二胡の制琴大師が存在する。その名は陸林生。
陸林生は1930年代の蘇州に生まれ、14歳で蘇州の楽器店で働き始める。楽器製作者であった桑秋林先生に弟子入りし、主に二胡など拉弦楽器の製作技術を学んだ。1956年、蘇州民族楽器工場に入り、以後60年に亘り、皮張り技術の研究に没頭した。また、様々な木材の振動特性を探り続けた。その成果として、木材の見極め、蛇皮の繊維構造の違いを熟知し、あらゆる曲目に対応する、プロに愛される二胡が誕生した。
林生二胡の造形は、古風で素朴な中に優美さがあり、工芸が繊細である。伝統蘇派二胡の手工技術を継承し、現代の美意識を取り込み進化している。技術は絶えず研鑽され、単なる１本の二胡ではなく、高品位な工芸収蔵品となった。しかし、最も賞賛されているのはその音色。音の立ち上がりが俊敏で、音質が明瞭で通過力があり、遠くまでよく響く。南北のそれぞれの気候にも対応できる。これは、陸林生の60年にわたる独自の皮張り技術の成果に他ならない。
多くの著名二胡演奏家は、国内外のコンクールで林生二胡を使用し大賞を獲得。これは、多数の音楽学校や各種民族楽団で林生二胡が愛用されている理由でもある。
2004年、中国音楽家協会二胡学会主催の全国二胡制作コンクールで、紫檀六角形の林生二胡が一等賞を獲得。
2010年、国際第１回珍品二胡コンクールでは、林生二胡は数多くの優秀な作品の中で最も際立ち、金賞を受賞。陸林生本人も、国際二胡制琴大師の称号を授与された。
二胡制作大師 毕春洪
毕春洪は陸林生の娘婿であり、1990年代初期に、義理の父である陸林生とともに林生楽器を設立。
陸林生先生のもとで十余年に亘り、二胡制作のすべてを修得した。陸林生先生の直接指導のもと、材料の選定、制作工程のすべてを身に着け、若手二胡制作技術者の模範となった。彼の技術は、陸林生先生の風格を完全に継承しており、制作された二胡の外観は繊細で精緻、古典の美しさを持っている。加えて、身に着けている技術により、 毕 先生の二胡は全音域で音色は美しく、江南丝竹の味を持っている。
林生楽器の初代継承者である責任は大きく、 毕 先生は常に制琴技術を追求し、熟練し、さらなる発展を求め続けている。数十年の絶え間なき研究の結果、 毕 先生は独自の制琴技術を完成させた。陸林生の技術の基礎の上に独自の技術を加え、全音域で音の透過力が強く、音色は剛の中に柔かな美しさがある。
最近では、2011年の第３回全国極品二胡制作コンクールにおいて、毕春洪が製作した二胡は、全国数十工場・百本以上の二胡を対象とした幾度の審査、中国全土30名以上のベテラン著名演奏家、作曲家の厳しい評価のもと、林生二胡は金賞２、銀賞５と、上位の賞を独占した。毕春洪は、全国二胡制作大師の称号を授与された。
この道は果てしなく長いが、真理を追い求め続ける。これからさらなる優秀な二胡を作り出し、中国民族楽器業界に多大なる貢献をする逸材である。
